草との格闘に光明は見えるか

もう7月も終わりですね。夏で暑く、ほとんど田畑に人がいない塩田平ですが、有機農法のわが家ではそういうわけにいきません。今の時期、田んぼは稲が青々と茂り、減反田は麦刈りが終わって大豆が大分大きくなって来ました。畑は夏野菜中心で、暑ければ草も元気がなくなります。しかしわが家では直播きの田んぼで時期も遅れてしまったため、稲がパラパラとしか生えていません。隙間だらけなので、田面に陽が当たり、雑草が生えて来ます。慣行農法では除草剤を使うので、草一本ありませんが、わが家の田んぼは草だらけです。大豆も同様で、やっと芽が出つつある畑もあり、大豆より雑草の方が背が高くなっています。

 

畑もやたら草が生い茂ってしまいました。父が毎日草を取っていますが、追いついていないようです。田んぼの畦ももちろん草だらけです。間もなく共同の草刈があるので、また怒られそうです。実は例年も雑草に覆われてしまい、あちこちの畑が腐海に沈んでしまいます。昨年までは、時間が取れない場合は半分位はあきらめよう、という方針でした。半分といっても、草にやられると全滅してしまうことも多いので、作物ごとに半分ではありません。この作物はあきらめよう、この作物はまだ間に合う、といった具合で、半分位の作物は収穫が無くなります。普段必要なものは家の近くの畑で父が守ってくれているので、それほど困ることはありませんでした。

 

でも今年は、少しでも安全な食べ物を増やしたいので、出来るだけ沢山作ろうとしています。これまではお米でも、何枚か作っている田んぼのうちの1枚が草で覆われても、残りが出来ればいいと考えていました。抑草技術もいくつかあるのですが、タイミングが重要なものが多く、その時期忙しいとやられてしまいます。しかし今年は複数の技術を組み合わせて、少しでも草を抑え、収量を上げたいと思っています。お布団農法、動力除草機、田車、米糠除草、手取り除草、深水と、出来ることはみな取り入れています。とは言っても、スタートが遅れた影響は大きく、予想以上に草が出てしまいました。

 

1番小さな田んぼはお布団農法が成功し、ほとんど草の姿が見えません。1枚の田んぼはお布団の種籾が鴨に食べられてしまい、結局手植えです。今日も田植をして来ましたが、あと2割位田植が必要です。お布団がぼろぼろになってしまったので草が抑えきれません、深水で稗は抑えることができましたが、深水でも平気なオモダカという雑草が半分位に生い茂っています。今日も田植をしながら籠に4杯とりましたが、焼け石に水です。早く田植を終え、除草に移りたいところです。遠くで作っている2枚の田の1枚では稗が群生してしまいました。生えている面積は半分位なので、頑張れば何とかなりそうです。

 

もう1枚は水が抜けやすく、草が生えやすい田なので、一部ですが田植をした所が、雑草にやられています。水が減って土が出ると、大量の草が生えるのです。問題は1番大きな田んぼです。手が回らず全部は確認出来ていないのですが、稗とクサネムが大量に生えているようです。幸いどの田も基本はお布団農法なので、ある程度の草はお布団が抑えてくれています。草さえ取れば収量は増えるので、何とかしたいところです。問題は豆畑かもしれません。豆は3つの畑(減反田)に植えていますが、畑の方が田よりさらに雑草が多いのです。最初に種蒔きした畑は雑草の方が大きくなってしまいました。

 

土曜日に管理機で豆の畝間の草を刈ったのですが、この日はすごい暑さ。前の晩寝る暇がなかったのに、1日中炎天下で草を刈っていたら、治りかけていた風邪がぶり返してしまいました。3日ほどおとなしくしていたのですが、悔しいことに毎日曇りで暑くありません。暑い中無理せず、涼しい日に作業していれば、仕事もはかどり、風邪を引くことも無かったでしょう。もう少しよく考えるべきでした。でも、1日延ばすと雨が降って、さらに草が伸びる、ということもよくあるので、なかなか難しいところです。今日は大分良くなったので、田植の後、別の豆畑を管理機で除草しました。まだ間に合いそうです。明日からも暇さえあれば草取りをすれば、何とか草に打ち勝てるかもしれません。

いつまでも続く田植

 いつの間にか麦の刈り入れが終わっている塩田平です。少し前、麦秋だなあとは思っていたのですが、2週間ほど出張と行事で出かけていることが多い間に、麦の刈り入れは終わったようです。そういえばコンバインが出動しているのを見かけました。麦は減反田で作るので、麦の後には普通大豆を蒔きます。既に芽を出しているところも多いようです。麦も豆も雨に弱いので、梅雨と重なるこの時期の作業はなかなか難しいのです。塩田平を離れていることが多いので、天気も良くわからないのですが、家人によると先週までは、昼間は暑く、夕方スコールのような雨が降ることが多かったそうです。

 幸い先週後半あまり雨が降りませんでした。3連休の塩田平は猛暑でしたが、おかげで減反田も水が抜けました。知人が手伝いに来てくれ、やっと豆蒔きが終了しました。ただ、最初に豆を蒔いてから10日以上経っていました。その間しょっちゅう雨が降ってくれたおかげで、全面に草が生えています。草の中に種を蒔いても草に負けてしまいそうです。まずまだ種を蒔いていないところをもう一度トラクターで耕し、草を抑制してから豆を蒔くことにしました。豆蒔きだけなら6時間の作業と思っていたのですが、2日がかりになってしまいました。炎天下延々と農作業を続けて、とりあえず一段落です。

 人間勝手なもので、種蒔きが終わると雨に来て欲しくなります。大型台風で大変な地方もあったようですが、塩田平では風は強かったものの、雨は少なかったので、発芽にはちょうど良かったかもしれません。豆畑に見に行ってみると、芽が出始めているようです。今後の問題は雑草対策です。前蒔いたところは豆と雑草が同じ位に育っています。このままでは雑草に負けてしまいます。豆畑によっては既に雑草に圧倒されつつあります。除草用の機械が壊れているので、まずは機械の修理からになります。その前に出張もあり、田んぼの世話もあるので、豆がどこまで守れるか、ちょっと微妙になって来ました。

 田の作業も延々続いています。今日も少しですが、田植をしました。7月に入って田植をしても米は穫れないというのが塩田平の常識です。しかしあちこちの田んぼに欠株が目立つわが家の田んぼでは、未だに少しずつ田植を続けているのです。普通の苗では成長が追いつきませんが、わが家で植えているのは、他の田で株数が多すぎる場所から引っこ抜いて来た大きな稲株です。直播きの田んぼなので芽が沢山出過ぎたところもあり、減らさないと減収するので、一石二鳥なのです。そもそもこんなに欠株が多いことが問題なのですが、今年は台風や鳥の被害などの特殊事情もあり、少しでも回復したいのです。株が大きくなると、さすがに難しくなるので、今月一杯が勝負です。

 お布団農法がうまく行っている田んぼは、欠株も少なく、雑草もほとんど生えないので、あまり手がかかりません。しかし順調なのは5枚の田のうち一番小さな1枚だけです。1枚は欠株は少ないのですが、用水から雑草の種子が流入し、沢山発芽してしまいました。除草はこれからです。1枚は部分的に田植をした田で、田植をした場所は予想通り雑草が大発生しました。代掻きが不十分だったらしく水が溜まらず、深水で草を抑えることができなかったのです。何度も除草しましたが、まだかなり草が残っています。水深を維持しようと冷たい水を入れ過ぎて部分的に稲が枯れてしまい、田植をし直しました。もう少し除草と補植をしたいところです。

 1枚はお布団の中の種籾が鳥に襲われ、育ったのは1割以下でした。田植のやり直しが終わったのが7割位。抑草効果も期待出来ないので深水にして草を抑えていますが、深水に強いオモダカという雑草が繁殖してしまいました。密度は高くないので、時間さえあれば除草できますが、手が回っていません。深水で稲の分蘗が抑えられているという問題がありますが、水を落とすと別の雑草も出てくるので、悩ましいところです。最後の1枚が、一番大きな田です。ここは台風で大量の雑草の種子が流入しました。その時にお布団も大分流され、1週間がかりで直したのですが、部分的に雑草が繁茂しているところ、稲が生えなかったところが出来てしまいました。というわけで、もうしばらくは田植が続きそうです。

生き物達との共生/闘い

梅雨開け宣言が出たそうで、塩田平は暑い夏に突入です。風邪を引いたのと、義父の納骨とお祭りがあり、2週連続で週末あまり作業が出来ませんでした。それでも合間を見て大豆の種蒔きをしました。その減反田の1/3位しか蒔けませんでしたが、残りは150坪ほど。あと6時間ほどあれば蒔き終わりますので、少し安心です。また肥料をまとめて購入したので、それ置く場所を作るために、資材の整理をしました。残念ながらそれ以外の種蒔きは進んでいません。まもなく秋冬作物の時期に入りますので、この辺であきらめることになりそうです。

 

豆蒔きは目標を1-2週間遅れている感じですが、遅れて良いことも無いわけではありません。周りで既に豆撒きが終わった畑が目立つようになりました。大豆は芽が出る時、豆から根が出て、豆をそのまま土の上に持ち上げます。つまり、黒い畑の土の上に、白い豆が一列に空中に浮かんだ状態になるのです。鳥から見れば、畑の上に豆が差し出されるわけです。周りでまだ豆を蒔く前に発芽すると、鳥の総攻撃を受けて全滅することも珍しくありません。糸や紐、ネットを張って防ぐことは出来ますが、結構大変です。ところが周り中で発芽していれば、対策をしなくても被害が拡散して大きな被害は受けません。

 

春先に大豆の一種の枝豆を蒔いた時は、色々な野菜の種蒔きが集中する時期だったせいか、それほどの被害ではありませんでした。それでも2割ほど食べられてしまいました。そこにまた枝豆を追い蒔きしました。周りに前蒔いた枝豆が茂っているので、鳥に見つかりにくいだろうと思っていました。ところが他の人が種蒔きをする時期でなかったせいか、きれいさっぱり全部鳥に食べられてしまいました。なかなか難しいものです。地上に浮かんでいた豆は、鳥に食べられなければ光に当たって緑化し、開いて双葉になります。豆が食べられても、中心の軸だけでも残っていれば、そこから葉が出て大きくなることもあります。

 

トウモロコシが大きくなって来たのですが、先週末に動物の襲撃を受け、20本ほど倒されて食べられてしまいました。狸かハクビシンと思われます。まだその時期ではないと思っていたので大ショックで、取る物も取り敢えず電気柵を張りました。出張の時間が迫っていたので2段しか張れませんでしたが、3段欲しいところ。出張から帰ったら、すぐにもう1段張らねばなりません。トウモロコシは父が作っているのですが、収穫予定は今月下旬だったので、油断してしまいました。途中追肥するよう何度言っても追肥せず、先日やっと追肥したのですが、肥切れで成長をあきらめ、時期前に実を付ける方に転換してしまったようです。

 

もっとも、悪い話ばかりではありません。生物相が豊かだから土が良くなるわけですし、動物だけが悪いわけではなく、人が進出し過ぎたので動物の生態が不安定になり、増え過ぎたり農作物を狙うようになるのです。最近は家の周りで狐を良く見ますし、先週家の田んぼの周りを蛍が飛んでいました。こうした作物を狙わない生き物達が増えるのは問題ありません。キャベツも青虫が大発生したものの、天敵が沢山いるおかげか、食べる部分まで食害が進んだものはほとんどありませんでした。作物の被害はショックではありますが、適当な防御策を取れば、最低限の共存は出来そうです。

ますます雑草の成長が盛んに

梅雨はまだ明けませんが、塩田平は暑いだけであまり雨が降りません。もともと雨の少ない土地柄ということもあるのでしょうが、時々夜の間にそれなりの雨が降り、昼間は蒸し暑かったりかんかん照りという毎日です。作物も大きくなりますが、雑草は作物以上に成長が早いので、畑が草だらけになってしまいました。困るのが、山の田んぼに張った電気柵です。雑草が伸びて電気柵に接触すると漏電してしまい、動物を防げなくなってしまいます。玉葱畑も雑草に覆われてしまい、どこに玉葱があるのか全く見えません。機械で刈れば、除草にかかる時間自体は何とかなるのですが、とにかく暑いので、しばらく刈っていると気を失いそうになります。

 

早朝から炎天下で農作業をして、引き続き出張といったハードスケジュール続きだったせいか、夏風邪を引いて週末寝込んでしまいました。先週豆蒔きの準備で、雑草を刈ってトラクターをかけ終わったのに、豆を蒔く元気が無いままに週が替わってしまいました。今日やっと少し種蒔きをしましたが、また出張なので、続きは来週になってしまいそうです。田んぼも雑草が出つつあります。毎年のことですが、草との戦いで雑草に圧倒されそうです。幸いお布団農法は、新方法がうまく行って着地が成功し、収穫まで辿り着けそうです。ただ水路から入れた水が、お布団の上に雑草の種子を運んで来ているので、少しですがその除草も必要です。

 

大変なのが、一部ですが田植した部分の除草です。動力除草機を使えるところは除草し終わったので、残りの除草は手取りしかありません。水深を深く保つことも抑草に役立ちます。お布団の着地が成功したので、水を入れ始めました。これで抑えきれない雑草は手取りしかありません。特に、お布団の種子が鳥に食べられてしまった田んぼは、お布団の隙間に手植えしたのできれいに植わっていないので、機械除草が出来ません。幸い全体的には例年ほど雑草は多くありません。時間はかかるでしょうが、手取り除草で何とかなりそうな感じです。良く考えてみると、これまではここまで熱心に米作りをしていなかったかもしれません。それでもそこそこのお米は穫れていたので、きっと今年も大丈夫でしょう。

 

暑くなって来たので、春蒔いた葉菜類はそろそろ元気がありません。夏野菜はやっと収穫が始まったところです。次の葉菜類の種蒔きが遅れてしまったので、もう暑過ぎて発芽が悪いようです。収穫まで辿り着けないかもしれません。とすると、今畑にある野菜が無くなると、秋まで葉菜類は出来ないかもしれません。山奥の田んぼに減反田があります。標高が200メートル位高いので、少し涼しい場所です。これまでそこで野菜を作ったことはありませんが、ためしにそこに種蒔きしてみようかな、と考えているところです。