塩田平便り:稲刈は長期戦モードに

 塩田平では暖房を入れ始めました。昼間は暖かいのですが、早朝の外気温は5度。化石燃料を使わずにすむペチカに火を入れたいところですが、稲刈が終わらないのでペチカを整備する余裕がありません。この1週間は出張や行事が続き、農業はあまり進みませんでした。空けておいた日は雨降り。週末は会社の若い人の結婚式でめでたかったのですが、ずっと伸びっ放しでぼうぼうだった髪の毛を、雨降りのおかげで床屋に行けたのはラッキーでした。合間を見ては田んぼに通っているのと、機械で刈りにくいところは父が毎日手刈りしてくれているので、稲刈も少しずつは進んでいます。ただ、雨と倒伏で進捗は遅々としたものです。10月中には豌豆などの豆や麦を蒔いたり、ニンニクやタマネギの植付けも終わらせなければなりません。

 機械で刈れる分だけ刈ってあとは諦めるというのが普通の判断ですが、時間がかかって長期戦になっても、出来るだけ収量を上げたいと思っています。先週は3枚目の田んぼを脱穀しました。3畝の小さな田んぼで収量は籾で161キロでした。精米してみないと正確な玄米の収量は分かりませんが、他の田んぼと同じなら計算では120キロ。ちょうど2俵です。反収では400キロ、つまり6俵半でちょっと少ない。慣行農法の2割減です。有機栽培だからこんなもの、と考えることも出来ますが、お布団農法で雑草はほぼ完全に抑えられましたし、倒伏が多かったことを考えると、作り方を改善すれば、もっと収量が期待できると思っています。

 この田んぼは去年も肥料過多でいもち病が出て、今年よりも悪い出来でした。その前の年が減反で、野菜を作ったのでその残肥が非常に多かったようでした。その反省で今年は肥料を減らしたつもりだったのですが、やはり多過ぎたようです。計算してみると窒素量で反当7キロ弱入れています。これまでは粗放栽培だったので、雑草や水管理が甘い分肥料効率が悪かったので、これでも少なめだったのですが、今年は真面目に作ったので多過ぎたようです。今刈っている田んぼも全面倒伏してしまいましたし、今後は米作りの肥料設計を全面的に見直した方が良いようです。来年は減反なので、田んぼで野菜や豆を作ります。また残肥が多くなります。

 今年反収8俵だった田は、昨年野菜を作ったので今年は無肥料で始めましたが、結局追肥はしないままで、それでも一部倒伏しました。収量は過去最高です。今後は反当窒素量で4-5キロを標準にし、減反のあとは無肥料で出発し、追肥で調節する方が良さそうです。段々慣行農法に近くなって来ます。手抜き農法というわけにはいかず、手間的は増えてしまいますが、収量を確保するためには仕方ありません。お布団農法で、今年も3枚の田はほぼ完全に雑草を抑えることができました。1枚の田は稗だらけになってしまいましたが、稗は水管理で抑制できるので、他の雑草より対処が簡単です。来年は減反で畑にしますので、田んぼより除草が簡単です。稗に芽を出させて抜くようにすれば、種も減ります。

 増収を考えると、色々と改善できる点があります。今年は初夏に体調を崩してしまい、結局耕作を放棄してしまった田が3枚出てしまったのも反省点です。水管理を自動化する計画だったのですが、そこまで辿り着かなかったため、バンザイするしかありませんでした。この田は来年も米を作ることができる予定なので、オフシーズンに少し整備したいと思います。田の水口も、配管を入れてしまい、誰でも確実に水を入れたり止めたりできるように改善したいところです。水が溜まる田の改善も、排水溝を掘ったり、弾丸暗渠を入れたり、水が溜まるところに土を盛るなど、冬場に改善できそうです。ただ、農業以外は後回しにしているので、そっちも冬場に何とかしなければなりません。良く計画を立てなければ。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。