測定室の温度安定化

 1週間ほど試験的な測定を行い、測定室の温度も可能な限りチェックしてみた結果、これまでに分かったことは以下の感じです。

(1)予想以上に測定温度が変化しない

 外気温が5度からマイナス10度と変化した日でも、測定箱内の温度変化は1度以下だった。外気温の変化が15度以上だとどうなるかとか、低温には強いけど高温には弱いなどの問題は、その温度になってみないとわかりません。

(2)測定室の温度変化が大きい可能性がある

 断熱箱の外側に測定室があり、測定室も100ミリ以上(床と壁の主要部分は200ミリ)断熱しています。一番弱いのが出入りするためのドアで、ここも50ミリの断熱材を入れていますが、密閉が完全ではないのと、一部に断熱欠損があるので、熱的には一番の弱点です。

 何のために説明しているかと言うと、断熱箱の中の温度は変化していなくても、測定室の温度は変化している可能性があるからです。

 断熱箱内と測定室内の温度変化を同時に計れば良いのですが、最高最低気温計が1つしかないので、今は同時には計れません。温度計には外部センサーも付いているので、断熱箱内外を同時に計ることはできますが、最高/最低気温はより変動した方1つしか記録できないので、多分測定室側だけが記録に残り、肝心の断熱箱内の記録が取れないのです。

 いずれ温度計を増やしたいと思っています。

(3)測定による温度変化が結構大きい

 測定中の温度変化が小さいのに比べて、断熱箱の蓋を開けると、すぐに温度が上がってしまいます。この原因は2つ考えられます。1つは測定室の温度が高かった。2つ目は、測定者の体温やパソコン、照明の熱で測定室内の温度が上昇することです。

 実際、断熱箱の設置工事や測定器の据え付けなどで断熱ドアを閉めているとき、温度自体は低いのですが、熱が奪われず、服の中に蓄積されていくので全然寒くなく、また温度計を設置してからは、作業を始めると直ぐに0.5度から1度温度が上昇することが良くありました。

 だから測定者の発熱が怪しいと思いますが、作業時は照明や工具も使うのでその発熱とどちらの影響が大きいかは、いずれ測定して確認したいと思います。

(4)測定器の発熱が予想以上に影響するかもしれない

 一晩測定したとき、朝断熱箱を開けた時の温度は前の晩測定を開始した時とほとんど変わりませんでした。ところが最高気温にそれより高い温度が記録されていました。夜中の方が夕方や朝より温度が高いことはまずありません。

 温度計の設定ミスや読み取りミスなどの可能性もゼロではありませんが、それ以外の唯一の可能性は、断熱箱内に熱源がありその発熱で温度が上がったということです。

 測定器にはパソコンのUSBケーブルで給電していますので、最大0.5Wの出力です。大した熱量ではありませんが、長時間の測定で計っているので、その間に測定箱内に蓄熱してしまい、予想以上に大きな影響が出ているのかもしれません。

 今は冬なので、温度変動を減らす方向に働きますが、夏は増やす方向に働くことになる可能性もあるかもしれません。

(5)まとめ

 断熱は思ったよりうまく行き、測定誤差や検出限界を引き下げる方向に働いているが、改善できそうな点や温度変動の理由が分かっていない現象もあり、引き続き温度をより一定にするための調査や対策を講じていく方が良い。

もう一度無垢材の灰を測る

 無垢材の灰をもう少し足して測ってみました。ただ、薪の出所が1箇所でなく、廃材の薪も含まれているので、検出された場合はどちらが原因かわかりません。でも毎回ストーブの中をきれいの掃除して特定の薪だけ焚き、その灰だけを取り出すのは結構大変なので、とりあえずはできることから。

 前回の倍以上の110グラムで24時間測定しました。

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 セシウム137が29.6ベクレル、セシウム134が14.3ベクレルでした。ピークらしきものも見えているので、残念ながら福島由来のもののようです。検出下限がそれぞれ7.4ベクレルと5.3ベクレル、±12.9ベクレルと±8.3ベクレルでした。総セシウムで43.9ベクレルということは、薪の状態では0.2ベクレル程度なので、2011年にちょっと雨がかかったとか、汚染された土がちょっと付いたとかかもしれません。

 家の近所の土を測定した時に総セシウムで約40ベクレルだったので、1キロの薪に0.5グラムの土が付いてしまうとこの線量になってしまいます。少しでも検出されてしまうのは残念なことですが、この線量なら家の周囲の土ぼこりと同じなので、ここに住む以上は許容範囲と言えるのかもしれません。

 温度変動も24時間で4.7度から5.2度と、1度未満。それが測定結果を見に入った自分の体温で5.7度まで上がってしまいました。もっとシビアな温度管理もできそうなので、それを簡単にする方法を考えたいところです。

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