塩田平便り:大豆の脱穀と野菜の保存

 先週塩田平に初雪が降りました。幸い雪だったのは朝の少しの時間だけで、すぐにみぞれまじりの雨に変わり、積もることはありませんでした。ここのところ雨がちで、夜は寒いものの昼間は気温が上がることも多い日々です。秋に時間が無くて充分間引き出来なかったので、大きくなっていない大根も沢山あります。作物が育ち続けてくれることはありがたいことです。ただ、雨がちだと水分が下がらないので、最後に残った田んぼの脱穀が出来ず、困っています。その一方で、夜は段々寒くなって来ました。今畑に残っている野菜で、寒さに一番弱いのも大根です。いつ大根を収穫するか、毎年12月の悩みです。

 冬の寒さが厳しい塩田平では、冬の間収穫できる野菜はほとんどありません。越冬できるネギも、土が凍りついて抜けないので、食べることができません。白菜や大根、ネギなどの野菜は、冬の初めに収穫して保存し、冬の間はそれを食べていきます。保存が難しい野菜は野沢菜のように漬物にして保存します。野菜を収穫しても、暖かい日が続くと、野菜が痛んだり、漬物が醗酵し過ぎて保存性が下がったり、おいしくなくなってしまいます。だから寒くなって保存に適した気温になるまでは、野菜を畑に置いておきたいわけです。でも気温は少しずつ下がって行くわけではありません。時々1日だけ急に寒くなる日があったりします。そこで凍結すると、保存しても腐ってしまうのです。

 近所の家々で、野沢菜を収穫したり、漬けたりする光景が目立つようになりました。毎晩のように霜が降り、気温も下がって来たので、漬け時になったということでしょう。大根もほとんどの家で収穫が終わったようです。というわけで、わが家でも、大根と野沢菜の収穫を急がねばならないのですが、大きな問題があります。冬の間の野菜の貯蔵庫も兼ねているわが家の物置が、物で一杯なのです。震災/原発事故の混乱と、色々な物を備蓄した影響です。収穫しても、温度が下がり過ぎない屋内に入れておかないと、夜になれば凍ってしまいます。そう言えばジャガイモも屋外で保管したままでした。これも屋内に移さなければ、凍って腐ってしまいます。先日、ごく一部ですが、凍った大根が出ました。

 さすがに待った無しになって来たので、物置の大掃除を決行しました。米袋がネズミに襲撃されているのが発見されたりしましたが、とりあえず野菜が入る場所はできました。必要な野菜にアクセスできる状態に整理するには、もう何日かかかりそうですが、まずジャガイモを収容し、大根も段ボールにいくつか収穫することができました。畑にはまだ大量の大根と野沢菜が残っていますが、とりあえず一安心です。次に冷え込むまでに、出来るだけ収穫してしまいたいものです。大豆も先週末、関東の友達が手伝いに来てくれ、無事脱穀が完了しました。草だらけになってしまったので、収量は40キロ位でした。鶏の餌にするほどはありませんが、味噌を造るには十分な量です。

 薪割りは相変わらず泥縄ですが、それ以上に困った事態が起こりました。塩田平の近くで、薪から基準以上のセシウムが検出されたのです。安全が確認された薪以外は焚けなくなってしまいました。わが家の主暖房はペチカなので、大変困った事態です。とりあえずは、何かを作るのに使おうと思っていた廃材があるので、それを切って焚いてしまえば何とかなりますが、一冬では大量の薪を使います。薪はあちこちから集めるものなので、かなりの数を検査しなければなりません。県の説明では、東電に補償を聞けとのことですが、忙しい中困ったことです。群馬県の有機農家からも悲鳴が届きました。全量検査して安全が確認できたのに、注文が無くなってしまったそうです。サイトをご覧の上、出来ればお米を買ってあげて下さい。

群馬県浦部有機農園からの手紙
http://www3.ocn.ne.jp/~oriza/tayori/tayori51.html

浦部有機農園
http://www3.ocn.ne.jp/~oriza/

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