塩田平便り:大失敗の連続の中、玉葱を植え終わる

 塩田平も少しずつ寒くなって、そろそ冬が近づいています。例年なら10月からペチカに火を入れ始めるのですが、ペチカの煙突掃除や薪の準備が後回しになっていました。仕事もそれ以外も、畑も、ここのところ目が回るほど忙しかったのです。予定を入れ過ぎてスケジュールの調整に失敗し、村の自治会の旅行に行き損なってしまい、皆さんに迷惑をかけてしまいました。新しい予定を入れようとして、「あれ、こんな時間取れたっけ」と思った時に確認するべきでした。大失敗です。電子カレンダーでは無意識のうちに予定が消えてしまう危険があることを忘れていました。楽しみにしていた旅行に行き損なってしまい、大変残念でした。

 10月下旬暖かかったので、冬支度は手つかずでした。11月になって寒くなり始めても、ペチカを掃除する時間がありません。10月末から植え始めた玉葱の苗を、寒くなる前に植え終わらないと、来年収穫できないからです。老人達はそれぞれ自分の部屋にガスストーブがあるので、とりあえずそれを使ってもらっていました。玉葱はいろんな方に助けてもらい、旅行に行けず時間が取れたこともあって、先週末で何とか植え終わりました。針のような細い苗も植えたので、全部で1万本弱植えたことになります。早速冬支度に取りかかりたいところですが、稲刈も1割ほど残ったままになっています。まずは稲刈からというわけで、早速様子を見に行って、呆然としました。

 1カ月前まで山の田で首を垂れていた稲穂が全く見当たりません。稲の茎葉は残っているのですが穂がありません。田の隣の畑に植えてあった大豆にいたっては、茎ごと地上から全て無くなっています。全部鹿に食べられてしまったようです。この週末二度目の大ショックです。電柵を張っておいたので機械の様子を見に行くと、電柵は動いています。お隣の田んぼの収穫が終わり、お隣の電柵が撤去されてしまったので、そこから入ってしまったようです。時期的に、山に食べるものが少なくなって来たことも影響しているのでしょう。もっと早く刈り取るべきだったようです。先週末2度目の大失敗でした。

 稲刈の必要がなくなったので、週末に薪割りとペチカの掃除をする時間が出来ました。3年ぶりのペチカの掃除です。前回掃除した時に、それほど煤が溜まっていなかったので、何年かに1度やれば良いだろうと思っていました。煙突の煙の流れを調節するダンパーがうまく動かなくなっていましたので、そこだけ掃除すれば良いと思って、掃除口を開けてみて驚きました。中に煤が一杯です。ペチカは煙突より大きいとは言え、取った煤がゴミ袋に一杯になりました。ダンパーに詰まった煤には掃除口から手が届かず、完全に動くようにはなりませんでした。薪と一緒に燃して、煤を取り除くクリーナーを注文して、様子を見ているところです。

 薪の材料は山のように積み上がっているのですが、1年以上雨ざらしで、乾燥しているか怪しい状態です。幸い製材所で出た建築端材をもらってあります。乾燥材で1年以上放置してあるので、乾燥しています。2メートル近く積み上げてある山によじ上り、焚きやすい大きさのものを探し出し、ペチカの焚き口に入らない大きなものは斧で割りました。秋の夕日はつるべ落としで、薪が用意できたのはコンテナに5箱でした。5箱では今週中に燃してしまうでしょうから、今後の分も早く準備しなければ。針葉樹なので簡単に割れますし、薪割りをしたのは15分ほどですが、久々の薪割りで普段使わない筋肉を使ったらしく、肩の周りが痛みます。日々薪割りに励めば、慣れて痛むこともないということでしょう。

 早速ペチカにこの冬初めて火を入れてみましたが、煙突の通りは上々のようです。そうそう初めてと言えば、先週初めて新米を精米しました。早速いただきましたが、新米はこれまで食べていた古いお米と比べると、驚くほどおいしく、自分でも吃驚しました。もっとも、これまで食べていたのは2年前に穫った古米で、しかも原発騒動で春先に大量に精米してしまい、酸化も進んでいた米ですから、夏以降は自分でもあまりおいしくないと感じていたものでした。農家にとっては米は生命線ですので、古い米も含めて食用も籾用も備蓄し、常に1年分程度の余裕を持ちたいと思っています。そうすると、常に1年以上前の米を食べることになるわけですが、1年以上の備蓄が出きることの方がありがたいことだと思っています。

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