バナナピーマンと万願寺とうがらし、テラスにデビュー

 手のかかるペットを飼っている気分で過ごした70日でした。3月初旬に種まきして以来、ヒーターを入れても寒い日は温度が上がらないから電気あんかに取り替え、ポットが大きくなったから容器と電気あんかを買い足す、温泉旅行の際は育苗器を旅館に持ち込む等々、涙ぐましい努力の甲斐あって、晴れてプランターに植え付けるところまでこぎ着けました。

 プランターへの植え方は、他の苗と同じで、根っこをきれいに洗ってから、5センチぐらいにスッパリと切り取り、日向土とココピートをブレンドした土に植えるのです。字で書くとヤヤコシイ手順ですが、慣れるとサササッと30分ほどで完了します。

 とにかく暑い時ですから、手早く作業しないと、苗が萎れてしまいます。植え付け前に十分水やりして、人間で言うと「水で腹がパンパン」状態にしておきます。

 支柱の立て方

 植え付け時は短い支柱で、苗が倒れないようにしておきます。

 苗が根付いて、しっかりしてから支柱を立てます。支柱立ては植え付け直後というのが常道みたいですが、永田農法で日向土のプランターに植える際は、苗が根付いてからの方が良いと思います。せっかく植え付けた苗が、支柱を立てる作業中に根こそぎひっくり返ったり、葉っぱがちぎれたりと、苗にとって嬉しいことがないからです。根付いてから支柱を立てても、同じような事故は起こりますが、しっかり根付いていれば、苗が土から抜けてしまうなどという最悪の事態は起こりません。

 植え付けから約2週間の苗の様子です。強風にも負けないしっかりした支柱を立てました。

バナナピーマン

 

万願寺とうがらし(植付けが1週間遅かったので、仮支柱だけ)

アブラムシ除け

 赤と銀色のテープはアブラムシ除けです。2年前、初ピーマン栽培のときは、ストチュウを撒いても撒いてもアブラムシが付き、収穫に影響はなかったとはいえ、虫が恐い私はとっても嫌な思いをしました。キラキラテープを支柱に縛り付けて育てた昨年はアブラムシに泣かされることなく、楽に収穫を楽しめました。10月末頃になって、なんだかアブラムシが増えたなぁと感じましたが、気温が下がってきて、樹勢が衰え、アブラムシに対抗できなくなった徴でした。ピーマンは放っておくと、いつまでも実を付けているので、引っこ抜くのが可哀想で、片づける時機を逸しがちですが、初秋にアブラムシだらけになってきたら「ご苦労様でした、ごちそうさま」と感謝して引っこ抜きましょう。同じプランターで、土が足りない時は少し足して、ケイカルとカキ殻石灰を入れ、サヤエンドウとスナップエンドウの種まきに備えます。

 このキラキラテープはホームセンターで、安価で手に入ります。色は赤と銀、金と銀の2種類、テープの太さも3種類ほどありました。虫除けグッズは色々ありますが、ピーマンのアブラムシ対策としては、このテープで十分だと思います。ただし、アブラナ科の野菜(芽キャベツや小松菜など)は、アブラムシにとって、どんな危険を冒しても食らいつきたいぐらい美味しい香りがするようで、テープの効果はあまり強力ではありません。でも、ないよりはずっとマシ、複数の手段を駆使した方が効果も高まるので、お勧めです。

現在進行形の白菜物語 その2

 3階テラスの最も日当たりの良い場所で、ドカーンとでっかいプランター2個に植えられた白菜はすくすく育ち・・・と信じて、よく観察もせず、漫然と日々の水やりと週1回の液肥やりを続けていました。

喰われている

 どれどれ白菜クン元気かね、なんて調子でネット越しの白菜を見てみると、葉っぱが穴だらけ!

なんじゃ、こりゃー!!! 

コナガの幼虫はいない! アゲハもちがう! 虫がいないぞ~~~!

これが、どの本を見ても要注意とされていた、ヨトウムシか!!!

 「ヨトウムシは、昼間は土中に隠れていますので、葉っぱが食害されていて虫らしきものが見当たらない場合は、夜の12時頃に懐中電灯で照らして探せば見つかります。」と、ある本に書いてあった。

 夜の12時・・・早寝遅起きが美容に一番と信じている私は、夜の11時までにはお気に入りの本と顔面マッサージ用のゲルマニウムローラーを持ってベットに潜り込む主義を通しています。夜の12時なんぞに懐中電灯を持って、見も知らぬ(?)虫を探して外気に当たるなど、嫌じゃ嫌じゃ~と、2日間悩んだのであります。

 3日目に、このままでは白菜の漬け物はおろか、白菜の片鱗も食べることができなくなると思いつめ、白昼捜索という積極的かつ攻撃的な作戦にでました。

 割り箸1膳をお行儀良く持って、白菜の根本の土をほじるのです。ただそれだけ。意外にも簡単に、でっかいのが見つかりました。

(左)触ると丸くなるヨトウムシ。(右)安心すると伸びるヨトウムシ。

 処刑は、私は自らの手を下すことを好みませんので、いつものように、箸でつまんで、屋根に置くだけです。鳥たちがにぎやかな我が町では、虫さんに手を下さなくても、大丈夫なのです。

 私見ですが、葉の裏の葉脈に沿って体を伸ばして(擬態のつもりだろうが、私には通用しない)隠れるコナガの幼虫や、葉の茎で体をながーくして擬態しているつもりのアゲハの幼虫と比べると、ヨトウムシは、土中にいる安心感からか、さほど深いところに隠れているわけでもなく、簡単に発見できるので、前述2種の幼虫より、おバカなのかも知れないなどと思います。白昼捜索で見つかるなんて、ヨトウムシの名がすたるのではありませんか?

 発見したのは1匹だけ。体長は5センチくらい。けっこうブットク太っている。そりゃ、1匹であれだけの白菜を食べたら、成長もするわね。

 白菜からは脱線しますが、ついでだから、害虫のお話し。

 3年生の私は、大嫌いな虫との闘いに鍛えられ、今ではコナガの幼虫ぐらいなら、指先でちょいとつまみ取れるほどたくましくなりました。

 注意! 以下には気分を害されると思われる記述がありますので、きれい好きな方、お菓子などを食べながら読んでいる方は、お気をつけください。

 フンを見たら虫がいるという証拠だから、フンで見分けるというワザも身につけました。

見にくいけど、緑の丸っぽいのがヨトウムシのフン

 我が家のデジカメでは、仁丹より一回り小さいコナガの幼虫のフンは撮影してもよく見えないので、ヨトウムシのフンだけでもご覧頂きます。コナガの幼虫のフンは緑色、小さく真ん丸。アゲハの幼虫のフンはコナガのより大きい。それより大きくて、形は丸くなく、(言いにくいのですが)いかにもウ○チの切れっ端という形状です。

 ヨトウムシは小さい時は透明で、お腹の中の土か内臓(みたいな)茶色っぽいものが透けて見えます。なぜ幼少時のヨトウムシを私が知っているか。それは、ある日、プランターの土のあたりを体長1センチぐらいの細い透明な虫を見たからです。あれをあの時にやっつけておけば、今の苦労はなかったかも知れない。

現在進行形の白菜物語 その1

 今から一ヶ月ほど前に、役に立つテキストを入手しました。タイトルは『かんたん!プランター菜園のコツのコツ』(上岡誉富氏著、農文協)。とにかく、プランター栽培について、嬉しくなる、心強い情報が満載です。何が「嬉しく」て「心強い」のかは、実際にお読み下さい。

 『コツのコツ』に触発されて、色々な野菜を試してみたくなりました。

 そのひとつが白菜です。漬け物作りウン十年(?)のワタクシ、できることなら我が手で育て上げた白菜や大根を漬けてみたい。家庭菜園3年生にしてはハードルが高いと思えましたが、『コツのコツ』を読んでいると、なんだか出来そうな気がしてきたのです。

 さて白菜は、っと・・・ページを繰ると、「タネまきは8月上旬から9月上旬を厳守」「遅れると結球しない」。ギャー、すでに9月上旬、タネも買ってない、植え床のプランターも、日向土もない。ということで、ネットで《お黄にいり》というミニ白菜の種を購入、その他の資材はホームセンターに駆けつけて調達。あまりにあわてたためと、ホームセンターの安売りにコロリと乗って、『コツのコツ』で勧めているプランターより、一回り小さいものを買ってしまったことに気がついたのは、タネまきを終えて一週間後のことでした。

根っこを拝見

 収穫時をずらすため、プランターへの直播きとポットでの苗作り後にプランターへ移植するように『コツのコツ』書いてあったので、そのとおりにしました。

 

 

 

害虫対策のネット

白菜は虫に好かれるタイプなので『コツのコツ』は農薬を紹介していましたが、無農薬主義の私は、種まきと同時にプランター全体を防虫ネットでカバーすることにしました。

 ここで大失敗。ポットには何の害虫対策もしなかったのです。おかげで写真のように、出たばかりの柔らかい新芽は次から次にバッタに食べられてしまい、アーアーとため息をついている間に、全滅してしまいました。

ポットで苗作り

でも、私はマケナイ(*^_^*)。

プランターには常に余分に種まきするという習慣のお陰で、ひとつのプランターに蒔いた種が本葉四枚ぐらいに育った頃に、二つ目のプランターに移植しました。まずはメデタシ、メデタシ。

なぜ無農薬にこだわるか

 最初から、無農薬で野菜を育てようと決心して始めたわけではありません。

 私は、虫がコワイ。嫌いなのではなく、純粋にコワイのです。しかし、家庭菜園の先輩方が「白菜やキャベツがレース状になった」とか「周囲の農家から虫を飼っているのか」とお叱りを受けたとかいう情報を得て、虫と対峙せずに菜園はできないとだけは覚悟していました。

 

 農薬については、農薬を使用した作物を食べるのが云々というよりも、お米農家に嫁いだ友人の飼い猫が農薬散布後に死んだ、農薬使用後に人体に悪い影響があるなどという、使用による副次的影響が問題だなと感じていました。友人曰く、農薬の使用量を必要最小限に減らしたけど、完全無農薬での商業農業は無理とのこと。

 

 『コツのコツ』は、野菜によって、無農薬でもできるとか、害虫被害で大失敗に終わる可能性が高いから農薬は適期に適量使用すればうまくいくというように、農薬の上手な使用法を勧めています。

有機農法や永田農法以外の農業指南書には、たいていが、「農薬○○をいついつに散布・・・・・・」のように、使用するのが当たり前のように書いてあります。

 

ポイントを押さえた賢い農薬使用は、菜園の作業量を大いに軽減し、失敗を無くすことにつながるでしょう。と、秋に植えた大根が全滅した現在、実感しています。

 

 しかししかし、私の菜園では先に述べた自然素材の防虫・殺菌剤のみで育てる固い決心をしました。

 確かに大根は全滅しました。白菜もどうなるかわかりません。それでも、いいです。

 「収穫の○○日前まで使用可能」と説明書きが付いている薬剤には一切手を出しておりません。

 

 なぜそこまでこだわるか。理由は、私は私だからです(悪い意味で!)。

 まず、農薬を散布するための支度が面倒。帽子、ゴーグル、マスク、手袋、長袖長ズボンなどなど、考えただけで、頭がのぼせそうです(おばさんはすぐに頭がのぼせる^^;)

 O型性格丸出し-細かそうで大ざっぱ-な私のこと、農薬を薄める濃度を「あっららら・・・まっ・・・ちょっとぐらいはいいか・・・」てなことをやってしまったり、適量をスプレーするつもりが、葉っぱの表裏にザバザバにかけてしまい、結局枯らしてしまうのが明らかなので(例:いままで薬を使用したお花類はみな死亡;観葉植物などを剪定しては枯らすため家人から斬り殺しとのあだ名を付けられる)、自分のため、周囲のため、野菜のため、私は劇物を扱わないという信念を貫くことにします。

 

 手作り【ストチュウ】と【除虫菊のエキス】で追いつかないぐらい虫や病気にやられる野菜は、これから2年ほど、強い苗を育てる方法(別の機会にご紹介します)を導入して、それでだめなら、あきらめて、スーパーで普通に売っている白菜や大根を買うことにします。

 

 この2種類のいいところは、自然素材で、なめても大丈夫なところ。飲むのはお勧めしませんが。

 【ストチュウ】はニンニクと唐辛子が発酵した、激しい香りで、実際になめる気にはなりません。

 【除虫菊のエキス】は蚊取り線香のもとみたいな香りで、これも嘗めたくはないですが、嫌な臭いではありません。

 スプレーする量も、多すぎたから野菜が枯れるなんてこともないので、葉っぱを手で触り、裏返したり、邪魔になる葉をかき分けたりしながら、丁寧に散布できます。

 使用後に手荒れしたことは、一度もありません。

 

 【除虫菊のエキス】は商品として売っていますので、友人からプレゼントしてもらえない方は、ホームセンターやネットで購入できます。

 

  今度、白菜と大根を作るときは、【ストチュウ】のおダシと木酢液の配分を変えて、ニンニク唐辛子をガッツリ効かせてみようと考えています。

 

自家製ストチュウの作り方と使用法

1.ニンニクと唐辛子を焼酎に1ヶ月以上漬けた液-ストチュウのおダシを用意しておきます。

2.1の原液を木酢液に混ぜます。(1:4ぐらいの割合・・・かな)

(左)3年前に作った―おダシ  (右)これも3年前に作った―ダシを木酢液で割ったもの

3.2を1000倍に薄めたものを、スプレー容器に入れて、葉っぱや土に散布します。

無農薬で、できるかなぁ・・・

 いわゆる【農薬】は使っていません。

 友人から頂戴した自家製【除虫菊のエキス】と、私の手作り【ストチュウ】だけです。

 普段は殺菌剤、防虫剤として手作りストチュウをスプレーします。

 頻度は、週1回・・・といいたいのですが、ついついさぼって虫が付いてしまい、【除虫菊のエキス】のお世話になっています。

『しっかり育つよ! ベランダ永田農法』(著者:たなかやすこ、発行:集英社)で【野菜に安心な防虫剤】という呼び方で、この【ストチュウ】(厳密にはストチュウとは違うみたいですので、括弧でくくります)の作り方を紹介しています。

 著者のたなかやすこ氏は、【ストチュウ】だけで、防虫対策は万全と書いておられますが、我が家の庭とテラスは環境が異なるためか、使用頻度が足りないためか、はたまた【ストチュウ】自体の作り方に問題があるのかわかりませんが、とにかく、虫はつきます。

最初のうちは【ストチュウ】を1000倍に薄めたものをプシュプシュとスプレーして、殺菌、防御。そして、ある日アブラムシや、コナガ・アゲハなどの幼虫を発見して、キャーとあわてて、【除虫菊のエキス】を500倍に薄めた液をスプレーするという状況を、この3年間繰り返しています。

【除虫菊のエキス】は結構効きます。ただ、雨が降ったりすると流れてしまいます。

 また、野菜に残留して効果が持続するわけではありません。

アブラムシが大量発生した時は、1週間に1度【除虫菊のエキス】のスプレーを2回ぐらい行えば、しばらくは収まります。一旦虫を退治して、また【ストチュウ】で殺菌し、また虫が付いたら【除虫菊のエキス】をスプレー・・・・・・という繰り返しを二回りぐらいするうちに収穫期を迎えます。

葉菜類には、収穫した時にアブラムシ(生死の如何は不明。知りたくもありませんし^^;)がくっついていることが多いので、大きなボールに入れて、水道水に1時間以上浸してから、ザルにあげて、食す、または密封容器に入れて冷蔵庫の野菜室で保存することにしています。