トマト、全滅の危機!

 トマトの生育は順調、大玉中玉プチトマトそれぞれ、1段目に連なる実が日々膨らむ様子を見るのが朝の楽しみ・・・・・・でした。その日までは・・・・・・。

 6月7日、夕方の水やりのため、庭に出てビックリ。トマトの畝周辺が水浸しになっているのです。ゲエエエ・・・昼間、庭仕事した際にバケツの水を流したから、トマトの畝周りの溝に水が溜まったのかなぁと、頭を掻き掻き水を掃き出そうと、小さなシャベルで水をジャバジャバ排水穴に向けて掻いたのですが、掃けども掃けども水は減らない。そういえば排水穴のお掃除をしてないから、詰まったかな、まぁ時間が経てば水は土に吸い込まれるだろうと楽観的に考えて、わずかな不安を無視しつつ床についたのです。

 6月8日朝、私より先に起きた家人が暗い顔をしています。私の悲鳴を予期していたのでしょうか。トマト周りの水たまりは無くなっていました。が、大玉と中玉トマトの苗は3本とも支柱ごと倒れ、茎は折れ、ちぎれた葉っぱがあちこちに散乱。テラスに置いていたお花の植木鉢も、大きな蘭の鉢も、庭の真ん中まで投げ出されていました。悲鳴はあげてないデス。

 テラスに設置してあった交換用タイヤ4本を載せたホルダーがひっくり返り、タイヤと植木鉢を投げ飛ばして、トマトに直撃したのでした。ホルダーを倒したのは他でもない、【水流】でした。

 プチトマトから50センチほど離れた場所の地下水管が破断して、水道全開状態の水が噴き出し、テラス周辺の土を家の基礎部分に押し流していたのです。ソウイエバ、きれいなお水が、湧き出ているって感じでした。

土がえぐられて

家の地下に流れ込んでいた

 ソウイエバ、前日あたりから、ダンゴムシが大挙して退去していたり(クダラナイ駄洒落)、見たこともないオケラのような虫がいて腰を抜かしたりしていました。これらは皆、少しづつ水が滲み出て、土が水浸しになっているサインだったのです。

  呆然とトマトの残骸を眺めること10分余り。見つめても見つめても現実だわ・・・。我に戻って、支柱を起こし、グニャリと曲がった茎はまっすぐにして、汁が出ている茎は折り取りました。ここで急いでハサミを使い、病気になっては、本当に全滅してしまいますので、手を使いました。ちなみに、トマトは水を少なめ少なめで育てるので、茎がポキリと折れることはほとんどありません。茎が折れるのは、水やりの直後だけです。しかし、丸1日も水道水の池に沈んでいた根っこは、少し触っただけで音を立てて折れてしまいました。

大玉中玉トマト、支柱を立て直した

折れ曲がった茎

2段目から上は取り去るしかなかった

 

 プチトマトは3本とも根っこごと引き抜き、大玉中玉トマトはマルチを取り去って、新しいと腐敗防止の燻炭と、ケイカル、カキ殻石灰を混ぜて植え直し、新たにマルチを張りました。はたしてトマトは復活するでしょうか。

 今年は大収穫を狙っていただけにショックではありますが、水道管の破断は誰のせいでもない、歴年の結果なので、受け入れるしかありません。昨年のプチトマトの土が変な湿り具合で、ネコブセンチュウの害を受けたのも、漏水のせいもあったのではないかと思います。

 怒濤の1日が終わり、土運び、鉢の移動などで、全身筋肉痛となりましたが、3日経って、トマトが生き残ったことを確心しました。

丈が低くなったプチトマト

熟し始めたトマトがいじらしい

この実は熟すでしょうか

このわき芽が頼みの綱

 

 プチトマトの実が熟し始めていました。真っ赤になった2つを朝食に戴きました。

初収穫

 お味は・・・・・・、水っぽい、スーパーで売っているトマトの味でした。しかたありません、水浸しだったのだから。

  今回の惨事で、改めて永田農法の【極限まで水を控えて育てる】手法で、濃厚な、世界一のトマトができていたのだと納得しました。今後はトマトの様子をしっかり観察し、土が乾いてきたことを確認するまで水も液肥も与えずに育てます。

 トマトの生命力を信じつつ・・・。

植え付けから17日

 立派に育った苗を植え付けてから、1週間は水も肥料もやらず、わき芽を2~3日ごとに掻き取りました。見守りながらも手は出さない。ほったらかしとは違います。

 ちなみに【わき芽を掻き取る】というのは、本葉(見るからに本葉!)というしっかりした葉をつけた茎の根元から出てくる【新芽】を手で折り取ることです。【掻き取る】という表現を使うのは何故か? やってみると分かります。

 手で折り取るのは、ハサミを使って病気をうつさないため。煙草を吸う人は、石けんで手を洗ってからしないと、タバコモザイクウイルスという致命的な病気をトマトに罹患させることになるので、要注意。トマトの近くでタバコを吸うのもやめましょう。

 1週間目に初めて液肥水(住友液肥2号を600倍に希釈したもの)を株の根元にたっぷり与えました。たっぷりとはどれくらいかというと、6リットルのじょうろに作った液肥水を6株に与えるとじゅうぶんという感じです。つまり、1株の根元に1リットルも水をジャボジャボ与えることになりますので、一回では吸い込んでもらえません。6株に一巡りしてから、もう一巡して、じょうろが空になりそうかなというぐらい与えます。

 なんという水の多さ! なんという大ざっぱさ! と驚かれるでしょうが、横90センチ、奥行45センチの畝にミニトマトを3株、150センチ×90センチの畝に大玉トマト1株と中玉トマト2株を植えて、大玉中玉で数十個、ミニトマトは300個の収穫を目標としていますので、トマトに含まれる水分量を考えてみれば、この程度の液肥水を1週間か10日に1度与えるだけで実が膨らんでいくというほうが奇跡に近いと思います。

 植え付けから17日が経ちましたが、液肥水を与えたのは2回だけ。トマトに関しては、水やりは一切せず、葉っぱが萎れてきたなと思った翌日ぐらいに液肥水をジャバジャバに与えることにしています。

 根っこを短く切り、過酷な条件で植え付けられた(永田農法に馴染んだ私自身は過酷だとは思っていませんけど) 苗は、既にしっかりした健康的な実をつけ、大きく育っています。

 大玉トマトは手のひらにずっしりと重みを感じます。【桃太郎ギフト】という【桃太郎シリーズ】最新品種の接ぎ木苗です。

5個着果したうち、1個を摘果

 

 【フルティカ】という中玉トマトの接ぎ木苗。昨年の【フルーツトマト】より、実付きがいいみたいです。

緑が濃く、強健な印象の中玉

2株とも、9個着果しています

 

 「実付きがいい」なんて、専門家みたいな表現を使っていますが、実はそんな高尚なものではないのです。トマト苗を植え付けるのは、1段目の花が確認できてからと決めています。植え付ける際に、根っこをバケツの水に浸して洗ったり、切ったり、広げたりと、株をいじくり回すことになるので、必然的に1段目の花やつぼみは痛めつけられることになり、何個かちぎれてしまうという結果になります。ちぎれないように丁寧に作業すれば良いのですが、スピード勝負という面もあるので、クソ丁寧にしすぎるのも良くないかなぁなんて思ったりしながら、大ざっぱな性格丸出しの作業を行っております。

 大玉トマトは1段目に着果しないと、2段目3段目も着果せず、葉っぱばかり茂る「ツルぼけ」という状態になるそうです。名前からして、ヤですよね、ツルボケなんて。てなわけで、大玉と中玉は特に、1段目の花を見たら、アイシャドー用の筆(もちろん100円ショップもの)で、花をコショコショくすぐります。ホルモン剤のスプレーを吹き付けると、確実に着果するそうですが、薬の世話になどなるものかと、筆でコショコショ。以前は、105円の筆を買う(お金ではなく)手間を惜しんで、指先で、ピシッとはじいたりしていました。この指先ピシッも有効ですが、勢い余って、せっかくついた花が飛んでいくということが何度も何度もあり、永田農法3年生の卒業祝いとして、筆を購入した次第です。【筆でコショコショ】の甲斐あってか、はたまた桃太郎ギフトとフルティカの威力か、1段目にして満杯状態の着果を見て、今年のトマト収穫の成功を確信したのです!

 

 ミニトマト、プチトマト、まだどちらで呼んで良いのかも分かりませんが、大玉や中玉のように着果の心配がないということで、植え付けの際の扱いが、非常に荒っぽかったのでしょう。3株のうち、1株の1段目は、花芽が1つしか残っていないという有様。しかししかし、接ぎ木苗の強さはすでに見てとれます。

 2年続きでお安い価格のわりに丈夫な【アイコ】(1株98円ぐらいだったかな・・・)を育てましたが、遂に連作障害でネコブセンチュウが発生。そこで今年は涙をのんで1株175円也の接ぎ木株を3株買いました。品種は以前から狙っていた【千果】。名前が良いですね。1株から千個採れるってわけではないでしょうが。中玉トマトと共に【鈴なりのトマト】を収穫できるという期待でワクワクしています。

中玉のたくましさとは異なる、可愛い小粒トマト

今のところ2株ともに8個着果を確認

 

 びっしりうぶ毛が生えているのを見てください。(トマトに「うぶ毛が生える」っていう表現、ちょっと可笑しい)うぶ毛は日に日にしっかりしていき、大きく育つ頃には素手で触ると手がチクチクするほど、たくましい毛(?)になります。これは元気一杯の証拠。我が家の【世界一のトマト】は、病気知らずなのです!

 

 昨年の収穫は、大玉トマト1株で14個、中玉トマト2株で13個、プチトマト3株で242個でした。

 今年の目標は、同じ株数で、大玉トマト30個、中玉トマト100個、プチトマト300個。

 この目標を達成するために、ある裏技を使うのです!!!