春だ、種まきだ、ヤンヤの大騒ぎ! その1.

 3月に入ってもパッとしない天気を恨めしく思っているうちにハヤ2週間経ち、やっと晴れ間が見えてきました。まだ何となく寒~い感じですが、確実に日射しは強くなり、気温は上がってきています。ここらで腰を上げねば、夏野菜の植え付けまでに春野菜の収穫ができなくなります。

 今年の目標:1)これまでに作った基幹野菜(造語です)のうち、大失敗ではないが収穫量が期待より少なかった、ナス、キュウリを上手に作る。2)虫が付きにくい種類のレタスを常時食べられるよう、計画的に栽培する。3)ズッキーニ、バナナピーマン、万願寺トウガラシを成功させる。

 大好物のニンジン、春蒔きはミニニンジンをプランターで育てます。一坪の畑では5月初旬から夏野菜を植える予定なので、種まきから収穫まで半年近く必要とする、大きなサイズの五寸ニンジンは、夏蒔きの冬収穫となります。昨年はニンジンの収穫量が少なかったので、今年は成功させるべく、大いに意気込んで種まきをしました。

 ミニニンジンのピッコロです。種袋の言葉は励みになります。

この謳い文句にしびれました

 まさにプランター栽培に最適なミニニンジンですが、『コツのコツ』では、ミニとは言えないぐらいの大きさに育てておられます。これまでの経験によれば、ニンジンは大きくするのは結構難しいけれど、小さくても気にしないのなら、大失敗はない、丈夫な野菜です。虫に葉っぱをやられさえしなければ、プランターでも十分、おいしいニンジンに育つことでしょう。

 

 ☆栽培データ☆

 プランターのサイズ:幅65㎝、奥行35㎝、深さ28㎝ 底にネットが敷いてあるもの

 用土:日向土*に総量の20%のココピート

 肥料:植え付け前に、珪酸カルシウムとカキ殻石灰をそれぞれ一握り半ずつ

 液肥:種まき後に、永田液肥2号(600倍の希釈液)をたっぷり

 

 注:日向土*は小粒を使用するよう、永田農法を紹介している諏訪氏は勧めておられます。私自身も小粒の日向土を使い続けてきましたが、我が家から一番近いホームセンターでは、中粒と大粒の日向土しか販売しておらず、やむを得ず中粒を使い始めました。中粒でも問題なく野菜は育ちます。また、同じ野菜を中粒と小粒の日向石で育てたところ、中粒の方が初期の成長が早かったことがあります。収穫までの生育速度に関して、中粒と小粒に差はないというのが私の結論です。大粒は問題外として、簡単に手に入る種類の日向土か、それに準ずる土を使えば良いと思います。

 

 いつもは鉢底石を水切りネットにいれてプランターの底全体に敷き詰めるのですが、これは排水性を高めるための手段です。ニンジンはあまり乾燥させたくないので、大きな石を穴の部分だけに置き、日向石を直接入れることにしました。

排水穴を日向土で詰まらせないよう、大きな石をのせる

 

 プランターの7分めぐらいまで日向土を入れ、20%相当の水を十分に含ませたココピートと、珪酸カルシウムとカキ殻石灰をそれぞれ一握り半ずつを入れる。(詳しくは「土の準備」をご覧下さい)

ケイカルとカキ殻石灰は目(手?)分量でOK

 

 よく混ぜる。移植ゴテが混ぜやすい。

混ざった状態

 

 種を蒔く筋に、十分湿らせたココピートを薄く敷き詰める。

筋が3本だとこうなる

 ニンジンの種は好光性なので、目の粗い日向土の下にもぐり込んでしまうと発芽しなくなるおそれがあります。また、蒔いた種が乾燥しても発芽しません。そこで、私が開発(?)した【ココピートでバッチリ発芽させるぞ作戦】がこれです。

 

 2時間ほど水にひたしておいた種。実は前の夜に漬けるのを忘れていたので2時間だけに・・・。それでも十分に水を吸って、カリカリに乾燥していたときは丸かった種が、ふやけて細長くなっています。

本来のニンジンの種のカタチです

 

 茶こしで水を切った種をティッシュペーパーに取り、よく水気を拭き取る。乾燥させるのではありません、念のため。種がビショビショだと、手にくっついて、上手に蒔けないからです。

風で飛ばされないように注意

 

 1センチ間隔で種まき。

ほぼ、職人ワザ(見習い?)

 

 種の上に湿ったココピートを薄くかぶせる。ココピートの水分が多いと、厚くなってしまうので注意。

うすーく、が難しい

 

 ニンジンの発芽温度は15℃~25℃。外気温はまだ低いので、ビニール袋をかけて保温します。これをトンネル栽培と呼ぶのです。(畑の場合はトンネル状になりますが、プランターの場合は袋かけというべきか)袋がずれないように、麻ひもで縛ってあります。

45リットル用のゴミ袋がピッタリ

 あとは発芽を待つばかり。楽しみです、ウフフ(*^_^*)。

消費期限はダテじゃない!

 新しい小松菜の種を蒔くと、アレよアレよという間に発芽して、ワサワサ状態になりました。 これまでは種の袋に印刷してある消費期限を1年ぐらいオーバーしても発芽に問題はなかったのですが、やはり、新品は力強い!と思い知らされました。今後はコスパフォ的に考えても、モトを取ったら新しい種を買ってもいいかなと思います。

 元気な双葉が揃ったところで、株間3センチぐらいをめやすに、ハサミで間引きます。

 以前は指で引っこ抜いていましたが、残したい芽の根っこを痛めてしまい、その後の発育に影響するみたいなので、先の細い園芸ハサミを使って、慎重に間引きました。

 ちなみに、園芸ハサミは100円ショップで購入しました。

 実は、ちょいと良い園芸ハサミを持っていますが、土のバイ菌が蘭に付いたら困りますので、ハサミは野菜用、蘭用と分けています。野菜用はさほど切れ味を必要としないから、100円ショップのもので十分です。

元気一杯の芽。間引き前の図。

間引いた後は、わびしい感じ。

ツヤツヤの若芽。間引き後の図。

 

寒くて......。

 2月7日に種まきした小松菜とほうれん草、ビニール袋で保温しているのにもかかわらず、厳しい寒さのせいか、なかなか芽が出ませんでした。

 ほうれん草はなんとか発芽して、少しずつ育っています。

 小松菜はまばらにしか発芽していません。種の消費期限が切れていたためかと思い、あわてて種をまき直すことにしました。

やっとここまで

 左の隅っこにゴミのように写っているのが小松菜。情けない姿です。

胚軸切断挿し木法、経過は!?

 徒長したピーマン・とうがらし組の若芽を救うため、窮余の策として導入した胚軸切断挿し木法。

 だめだった場合に備えて、種も蒔いておくというへっぴり腰のワタクシ。挿し木をしてからというもの、一日に何度育苗器の温度を確認したことか・・・。心配はなんの足しにもなりませんが、放置して、また徒長したり、芽が腐ったりしたら、さっさと種まきのやり直しをしなければ、5月に植え付けできなくなります。

 光合成が必要なので、昼間は覆いを取って、日に当てなくてはなりません。ところが、2月中お天気がすぐれず、曇天続き。南側の窓際に置いていても、陽が差さなくて、ビニール袋でカバーしただけの育苗器内の温度は20℃近くまで下がってしまいます。

 一方、夜の温度は、毛布や断熱材の袋でしっかりカバーできるので、28℃から29℃ぐらいになります。こんな昼夜逆転の温度帯で、根っこを切り取られた若芽は育つことが出来るのでしょうか。

 また、たまに半日ほど晴れた日中には、育苗器の温度は、なんと、40℃まで上がってしまい、あわてて蓋をあけると、もわーっと水分を含んだ空気が顔にあたったりして、仰天したり・・・。

 ピーマンの育苗が「とても難しい」といわれるのが今になって納得できます。

 

 挿し木してから2週間たち、植物のすごい生命力に感心しました。

 めちゃくちゃな温度変化にも負けず、若芽は生きています。そして、保険に蒔いた種も発芽しています。

い、生きてる!

 この数日、ときどき晴れるので、そういう時は育苗器の蓋を開けて、陽に当てます。蓋を開けても温度は30℃ぐらいまで上がります。そして、曇りや雨の日と夜間はビニール袋を2重にかけて口をしっかり縛っておきます。

 丈夫な苗を育てるには、昼と夜で温度差を作ることが大事だそうです。

 昼間は28℃ぐらい、夜間は18℃ぐらいで最初の25日育て、鉢にあげてから最低温度を2℃ほど下げて16℃で25日、一回り鉢を大きくしてから、また最低温度を少し下げるというように、少しずつ外気温と同じ温度帯に近づけていく、順化という作業が必要とのこと。75日で一人前(?)の苗になるまで、しっかり見守ってやらねばなりません。

曇りの昼間や夜のカバー

 温度調整のできるヒーターなしでは、かなり難しい作業でしょうね。せっかく投資したのだから、頑張って5月下旬までの植え付けを目指します。

 

 ところで、バナナピーマンの栽培についてネットで調べてみると、色とりどりのブログに巡りあいました。驚いたことに、私のように目を血走らせて温度計とにらめっこしている人はあまりおらず、4月に入って暖かくなってから、ゆったりと保温育苗しておられる方が大半でした。

 やるぞと思い立って、『必死のパッチ』(関西ではこういう面白い表現があります)で加温育苗してきたワタクシですが、一歩下がってみれば、家庭菜園のベテランさんのように真冬から育苗しなくても、3月、4月になれば外気温も上がるし、別に5月中に植え付けなくても、6月に植えても十分に育ち、収穫は10月末まで続けられるのだから、何もこんなに苦労しなくても良かったのになーという空しい気持ちになりました。

 手探りの野菜栽培、障害にぶつかるのは仕方ないですから、今回の教訓を生かして、来年はのんびり楽しい加温育苗をしたいと、しみじみ思うのでした。